「うちのHPの症状名ページ、そのうち書き直しになるのでは」と感じたことはありませんか。あはき・柔整の広告ガイドラインは、ウェブサイトを規制対象に含める方向で議論が進んでいます。いま効能を並べて作ったHPほど、あとで作り直す量が多くなります。このページでは、規制が来ても書き直さなくていい構成の作り方を整理します。
この記事でわかること
- 効能軸のHPが、規制よりも先にSEOで負けている理由
- 症状名を生活場面に置き換える、具体的な変換の考え方
- 症状名ページをやめた代わりに何を作るか
- 今あるHPを棚卸しする手順
- 効果はどの数字で確認するか
目次
1 結論:効能軸をやめ、生活場面軸に置き換えます
治療院のHPには、大きく2つの作り方があります。
効能軸:症状名を並べる(腰痛・肩こり・椎間板ヘルニア 等)
生活場面軸:困りごとの場面で書く(朝、靴下を履くときにつらい方へ 等)
効能軸は柔道整復師法・あはき法の広告可能事項に含まれず、規制がウェブに及んだ瞬間に書き直しが必要になります。生活場面軸に最初から作っておけば、規制が来ても直す量が最小で済みます。しかも検索の競合が少ないぶん、SEOでも有利です。
これは治療院のマーケティング全体の中で、HPという資産をどう作るかという話です。広告の出し方以前に、土台の構成で決まります。
2 効能軸のHPが、規制より先に負けている理由
ここが見落とされがちですが、効能軸のHPは、規制の話が来る前から既に不利です。
| 観点 | 効能軸(症状名) | 生活場面軸 |
|---|---|---|
| 検索の競合 | ポータルサイト・大手チェーンと同じキーワードで戦う | 個人の言葉に近く、競合が少ない |
| 広告可能事項 | 柔整法・あはき法の限定列挙に含まれない | 施術内容・院の様子として説明できる |
| Meta広告 | 効果の断定表現として審査で落ちやすい | 生活の場面描写として通りやすい |
| 読み手の反応 | 「うちと同じことが書いてある」と流し読みされる | 「これ、まさに自分のことだ」と読まれる |
つまり効能軸は、規制・広告審査・検索・読み手の反応、その4つ全部で不利という構造です。規制対応のためだけでなく、集患のために変える価値があります。この不承認パターンはMeta広告の審査で扱った内容と同じ根です。
3 症状名を生活場面に置き換える
置き換えの考え方は単純です。「診断名」ではなく「困っている瞬間」を主語にします。
| ✕ 効能軸(症状名) | ○ 生活場面軸 |
|---|---|
| 腰痛・ぎっくり腰 | 朝、靴下を履くときにつらい方へ |
| 肩こり・四十肩 | デスクワークで、夕方になると腕が上がりにくい方へ |
| 頭痛・自律神経 | 週末になると頭が重くなる方へ |
| 産後の骨盤矯正 | 抱っこで腰に力が入らなくなった方へ |
| スポーツ障害 | 練習後に同じ場所が張ってくる方へ |
置き換えるときの注意
- 「治ります」「改善します」を付けない。生活場面に変えても、効果を断定すれば同じ問題が残ります
- 回数や期間と効果を結び付けない(「3回で楽になります」等)
- 場面は院に実際に来ている方の悩みから拾う。想像で作ると検索と噛み合いません
4 HPの構成をどう変えるか
症状名ページを消すだけでは終わりません。ページ単位で役割を作り直します。
| ページ | 効能軸だった内容 | 生活場面軸への変更 |
|---|---|---|
| トップ | 対応症状の一覧 | よくある来院のきっかけ(場面)の一覧 |
| 症状別ページ | 「〇〇症とは」の解説 | 場面別の「当日の流れ」ページに置き換え |
| 施術メニュー | 効能つきの説明 | 内容・時間・対象となる場面の説明 |
| スタッフ紹介 | 資格の列挙のみ | 資格+説明の姿勢(同意書での説明と地続き) |
タイトルタグに院名しか入っていないケースも多く見つかります。場面ページに変えるタイミングでタイトルタグの内部対策も一緒に直すと、作業が二度手間になりません。
5 症状名ページをやめた代わりに作るもの
症状名ページを削って終わりにすると、ページ数が減っただけになります。代わりに、来院前の不安を減らすページを増やします。
- 当日の流れページ
初回に何を聞かれ、何をするか。効能を語らず事実だけで不安を減らせます
- 来院のきっかけ紹介
「どんな方が来ているか」を場面で紹介。体験談の断定表現は避けます
- 院内・スタッフの様子
ビフォーアフター画像の代わりに、施術室・受付の写真で信頼を作ります
- 予約・料金の明記ページ
効能ではなく事実(時間・回数の目安・料金)で押します
検索のボリュームだけで見ると小さく見えますが、治療院のSEOキーワードで扱った通り、通える距離の人にしか価値がない検索では、件数の多さは判断基準になりません。
6 今あるHPを棚卸しする手順
今すぐ確認する5項目
- 「治る」「改善」「効果」という言葉を含むページが何枚あるか
- 症状名だけをタイトルにしたページがあるか
- ビフォーアフター画像を使っているか
- 体験談に回数・期間と効果を結び付けた表現があるか
- 施術所名に「専門」等、正式名称にない語を足していないか(GBP停止リスク)
1つでも該当すれば、そこから優先的に直します。全ページを一度に作り直す必要はありません。
7 注意:規制の状況は流動的です
最新の状況は行政・専門家にご確認ください
あはき法・柔道整復師法における広告規制は、これまでウェブサイトを「患者が自ら求めて閲覧するもの」として広告に当たらないと整理してきた経緯がありますが、医科・歯科と同様にウェブを規制対象へ含める方向の検討が進んでいます。本記事は現時点の一般的な整理であり、適法性を判断・保証するものではありません。個別の表現の可否は、所轄の行政機関または弁護士等の専門家にご確認ください。
8 効果は、この数字で見ます
構成を変えたら、変わったかどうかを数字で確認します。
| 見る指標 | 何が分かるか |
|---|---|
| 場面ページごとの流入数 | どの困りごとで検索されているか |
| 当日の流れページの閲覧率 | 来院前の不安が減っているか(問い合わせ手前の行動) |
| 電話タップ・予約ボタンのクリック数 | 初期設定では計測されないため、計測タグを別途入れる必要があります |
| 問い合わせ時の「何を見て来たか」 | 問診票の1行で拾うのが最も確実です |
計測の作り方は治療院のGA4で見るべき3指標にまとめています。順位や表示回数のようなバニティ指標ではなく、次の行動につながっているかで判断します。
9 何から着手するか
- 効能を断定した表現を洗い出す
「治る」「改善」「〇〇症」で全ページを検索し、リスト化します
- 最も見られている症状名ページから直す
アクセス解析で流入の多いページを優先します
- 当日の流れページを1枚作る
効能に触れずに不安を減らせる、最も着手しやすいページです
- ビフォーアフター画像を外す
Meta広告の出稿を予定しているなら特に優先度が高い作業です
- タイトルタグを場面の言葉に直す
SEOの内部対策と同時に済ませます
10 よくあるご質問
症状名を一切使ってはいけないのですか。
院内の説明や問診では通常どおり使えます。問題になりやすいのは広告・ウェブサイトで、効能効果と結び付けて断定的に使う場合です。生活場面の言葉に置き換えるのは、規制対応と同時にSEOでも有利になるための工夫です。
今のHPがまだ規制対象でないなら、急いで直す必要はありませんか。
現時点でウェブが規制対象化されていなくても、Meta広告や口コミの扱いは既に規制の影響を受けています。また構成を変えることでSEOにも効くため、規制対応だけを理由にする必要はありません。
整体院ですが、国家資格の縛りがない分、自由に書けますか。
業法の縛りは薄い一方、景品表示法・医師法(医行為の禁止)が直接かかります。「治る」と断定すれば、資格の有無にかかわらず問題になり得ます。整体院の経営でも同じ論点を扱っています。
構成を直す作業は、外注すべきですか自分でできますか。
言い換えの方向性さえ分かれば、既存ページの文言修正は院内でも進められます。判断に迷う個別の表現は、行政・専門家に確認しながら進めるのが安全です。
11 まとめ
- 効能軸のHPは、規制より先にSEOと広告審査で負けています
症状名の競合は多く、Meta広告は断定表現で落ちます
- 症状名は「生活場面」に置き換えます
診断名ではなく、困っている瞬間を主語にします
- 症状名ページの代わりに、不安を減らすページを作ります
当日の流れ・院内の様子・料金の明記
- まず洗い出し、流入の多いページから直します
全ページを一度に作り直す必要はありません
- 効果は流入数と行動の変化で確認します
順位や表示回数だけでは判断しません
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の広告表現の適法性を判断・保証するものではありません。
※あはき法・柔道整復師法上の広告可能事項、およびウェブサイトの取り扱いについては、今後の行政の通知・ガイドラインにより変わる可能性があります。個別の表現については、所轄の行政機関または弁護士等の専門家にご確認ください。
※本記事で示した表現例は説明のためのものであり、特定の効果・効能を保証するものではありません。

