「施術には自信があるのに、リピートにつながらない」。 治療院の院長先生から、たびたびうかがう悩みです。 ですが、リピート率が低い院の原因は、施術の質ではないことがほとんどです。 決まっているのは、もっと手前——次回の予約を、いつ、どこで、誰が取るかという運用です。 このページでは、どこで離脱が起きているかを分解し、直す順番を整理します。
この記事でわかること
- リピートが途切れる4つの地点
- 次回予約を「その場で」取るべき理由
- 会計時ではなく施術直後に案内する理由
- WEB側でリピートを支える方法
- リピート率をどう測るか
1 結論:施術の質ではなく、予約を取る場所の問題
リピート率が低い院の多くは、「またご都合のよいときにお越しください」で終わっています。
この一言で、次回の予約は患者さん側の宿題になります。宿題は忘れられます。
施術の質を上げるより、帰る前に次回を決めるほうが、はるかに早く効きます。
施術に自信がある院ほど、この部分を軽視しがちです。 「良い施術をすれば、また来るはずだ」。ですが患者さんは、良かったことと、また来ることを、別々に判断します。 忙しさ、忘れ、迷い。予約を取っていなければ、そのどれか一つで途切れます。
2 リピートが途切れる4つの地点
- 初回の帰り際(最大の地点)
次回予約を取らずに帰ると、2回目に来る確率が大きく下がります。ここが全体の分かれ目です。
- 2回目の予約日の直前
予約を忘れる、または連絡しづらくて無断キャンセルになる。前日リマインドで止められます。
- 3〜4回目、症状が落ち着いたとき
「もう大丈夫かも」と自己判断で止まります。通院の見通しを最初に伝えていないと、ここで必ず消えます。
- 間隔が空いたあと
1ヶ月空くと、行きづらくなります。最終来院からの日数で案内を送ると戻ってきます。
1番から順にです。初回で予約が取れていなければ、2番以降の対策は使う機会がありません。
3 次回予約はその場で取る
その場で取るために必要なこと
- 初回に通院の見通しを伝えている(「はじめは週1回、様子を見ながら間隔を空けます」)
- 受付に予約台帳・端末がすぐ出せる状態にある
- 候補日を2つ提示する(「来週の同じ時間か、木曜の夕方はいかがですか」)
- 予約の変更方法を伝えている(変更できると分かると、決めやすくなります)
3つ目が効きます。「いつがよいですか」と開いた質問をすると、その場で決められず持ち帰りになります。
効果を断定して通院を勧めない
「あと5回で治ります」といった断定は、あはき法・柔道整復師法の広告に関する規定の観点でも、また実際の説明としても避けてください。伝えるのは効果ではなく「通院ペースの目安」です。「はじめは間隔を詰めて、落ち着いてきたら空けていきます」という言い方であれば、断定になりません。
4 案内するタイミングは施術直後
会計はお金を払う場面です。そこで次回を勧められると、営業に感じられます。
施術直後は体感がいちばん良い瞬間で、会話も続いています。同じ内容でも受け取られ方が変わります。
このタイミングは、口コミの依頼やLINE登録の案内とも共通です。 施術直後にまとめて伝えるのではなく、その日は1つだけにしてください。 3つ並べると、どれも印象に残りません。
5 WEB側で支える3つ
院内の運用が整った前提で、WEB側からは次の3つで支えられます。
- 前日のリマインド
無断キャンセルが最も減ります。変更の連絡先を同じ文面に書くのが要点です。連絡しづらさが原因のキャンセルが、事前連絡に変わります。
- 施術3日後の一言
「その後いかがですか」と聞くだけ。返信が来た時点で、離脱はほぼ止まります。効果を書く必要はありません。
- 間隔が空いた方への案内
最終来院から一定日数で送ります。症状が落ち着いた方ほど静かに消えるので、ここを自動で拾います。
あわせて、ホームページに「通院の目安」を書いておくと、来院前から見通しが伝わります。 「何回くらい通うのか」が分からないままだと、総額が読めず、初回で止まりやすくなります。
6 リピート率をどう測るか
| 見る数字 | 取り方 | 分かること |
|---|---|---|
| 初回の次回予約率 | 初回来院者のうち、その場で次回を予約した人の割合 | 最重要。ここが低いと他の対策が効きません |
| 2回目来院率 | 初回来院者のうち、実際に2回目に来た割合 | 予約が実際の来院につながっているか |
| 平均来院回数 | その方が通算で何回来たか | 1人あたりの売上に直結します |
| 無断キャンセル数 | 月ごとに記録 | リマインドの効果 |
まず「初回の次回予約率」だけ数えてください。予約台帳から手作業で構いません。 これが5割を切っているなら、施術ではなく帰り際の運用に原因があります。
7 よくあるご質問
押し売りになるのが嫌で、次回予約を勧められません。
勧め方の問題です。「次回いつにしますか」ではなく「この状態なら、間隔が空きすぎないほうがよいので、来週あたりでいかがですか」と、判断の理由を添えてください。理由がある提案は営業に感じられません。予約の変更方法もあわせて伝えると、さらに決めやすくなります。
スタッフによってリピート率に差があります。
よくあることです。差が出ているのは技術ではなく、声のかけ方であることが多いです。リピート率が高いスタッフが、帰り際に何と言っているかを聞き取って、言葉をそろえてください。マニュアル化するより、実際に使われている言い回しを共有するほうが早く効きます。
新患を増やすのと、リピートを上げるのはどちらが先ですか。
リピートが先です。新患1人の獲得に1万円かかるとして、離脱を月2人止めれば月2万円の広告費と同じ効果があります。しかもリピート改善は費用がかからず、翌月から効きます。穴の空いたバケツに水を足す前に、穴を塞ぐほうが早いという単純な話です。
8 まとめ
- 原因は施術ではなく帰り際の運用
「またご都合のよいときに」で終わると、次回予約は患者さんの宿題になります。
- 候補日を2つ提示する
開いた質問をすると持ち帰りになります。判断の理由を添えると営業に感じられません。
- まず初回の次回予約率だけ数える
5割を切っているなら、ここが最優先です。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、施術の効果を示すものではありません。
※通院に関する説明の表現については、あはき法・柔道整復師法の広告に関する規定にご留意ください。

